
そのナンセンスはいっそう際立った。
単純なことを大掛かりな装置によってあえて迂回する見せ方は、フィッシュリ&ヴァイスの映像作品《事の次第》を連想させようが、不可逆的に進行していくそれとは違って、タムラは延々と続くループを強調する。つまり、内のみで外がない。それは喩えるなら、種を明かしたまま行う手品だ。滑稽でしかもストイックなその姿を舞台の外から眺める私たちは途方に暮れるほかないが、自ずとこちらに芽生えてくる不気味な内省の気分を、笑ってごまかすだけではすまないだろう。(成相肇 美術評論家)
『美術手帖』2007年7月号 Gallery Reviews/東京エリア より















