2025.10.4 – 2026.3.15
タムラサトル 開放的な接点 発電所にて電力を浪費する
[企画・展示内容]
このたび入善町下山芸術の森発電所美術館(以下「発電所美術館」)では、開館30周年という記念の年に、栃木県在住の現代美術作家・タムラサトルの個展を開催いたします。
1972年栃木県生まれ、95年筑波大学芸術専門学群総合造形卒業のタムラサトルは、まわるワニや後退するクマ、チェーンや歯車で構成された動き続ける文字や図形といった機械仕掛けの作品や、白熱電球を使ったインスタレーションなどを国内外で発表してきました。回転や移動といった物理的動作とそれに伴う電気的接点のON/OFFを巧みに組み合わせ、目的もなく動き続ける作品は、機械や道具が持つ本来の意味や機能という固定概念から開放されたユーモアを感じさせ、また一方でどこかシニカルな印象を与えてきました。
今回タムラは、元水力発電所である発電所美術館で、これまで展開してきた白熱電球を使用したシリーズの最新作を現地制作で発表します。天井から垂らされた電源ケーブルが振り子のように揺れ、床に敷き詰められた鉄板と接触、火花を散らしながら通電しケーブルの先の白熱電球が点滅する会場全体を使ったインスタレーションは、現代社会で不可欠でありながら普段意識することの少ない電気そのものの存在を強烈に印象付けることでしょう。ダイナミックな光と影の変化と激しいスパークの音で満たされる空間にご期待ください。
(タムラサトル展/入善町より)


参考作品